虹をさがす家
北傾斜の高台に建つ住宅である。敷地地盤が道路より低く、北側斜線が厳しいため、抜け感の良い北側テラスを眺めながら暮らすプランとした。ただし北向き住戸は暗い。南側は採光を得ようにも道路があり、歩行者からの視線や騒音が問題だった。
そこで遮音効果を高める質量と、透過性を併せもつ無垢のガラス角棒を南側の吹き抜けいっぱいに積層させた。85mm角のガラス棒の断面形状は、冬季は室内奥にまで太陽光を入れ、夏季は大半の光を遮りつつも淡い光が拡散する角度にカットした。それにより日時計のように、時間帯や季節によって様々な光のうつろいを感じられる空間となった。
朝は東からの光がキッチンに伸び、夕方は一日のなごりを惜しむようにリビングに光が差し込む。光が人のふるまいを導き、光が人のふるまいを追いかけるように包み込む。竣工後、施主から嬉しい手紙が届いた。そこには、「この家は時間帯によって異なる場所に虹が現れる。それを発見するのが楽しい。」と書かれていた。プリズムガラスが生活を彩る家である。
- Completion
- 2016.04
- Principal use
- Office and Residence
- Structure
- RC + T
- Site area
- 198㎡
- Total floor area
- 226㎡
- Building site
- Tokyo
- Structure design
- yAt Structural Design Office
- Contractor
- Katsura Komuten
- Team
- Ataru Shio, Shunichiro Sasaki
- World Architecture Festival 2017, House - Completed Buildings Highly Commended