ギャラリー桜の木
高原の避暑地である軽井沢に建つ画廊である。絵をかけるための壁面を量的に確保しつつ、個室で絵と1対1で向き合えるような落ち着いた空間とした。絵の雰囲気に合わせてテイストの異なる仕上げを施し、小部屋を集積させたのである。 ただし壁が多い上に厚いと、各部屋は窮屈になってしまう。軸組工法や、ツーバイフォーのような枠組み工法では壁が厚すぎて、面積のロスとなる。そこで仕上げと構造を兼ねることで、厚みわずか30mmのカラマツ集成材による木の壁構造を実現した。
開口部は個室の閉塞感を解消するために、視線が抜けるように配置。軸力の負担を分散しつつ、集成材の割れを防止するために、入隅のないアーチ型とした。その開口がスケールを変えながら連続することで、子供の頃に紙で組み立てたドールハウスの中にいるような感覚が生まれた。
自分の体が小さくなったような感覚。実際以上に奥行きが深く、吸い込まれるようなギャラリーである。仕上げは、薄く繊細な木の構造壁が感じられるように、ベルギーレースや和紙、渋柿塗装などの透ける素材を、ほんのりとした薄化粧のように纏わせた。
- Completion
- 2007.12
- Principal use
- Gallery
- Structure
- Timber
- Site area
- 268㎡
- Total floor area
- 149㎡
- Structure design
- tmsd
- Contractor
- Maruyama Koumuten
- Team
- Asei Suzuki