Sarugaku Cyclone
東京・代官山で生活雑貨を企画、開発、販売する企業の自社ビルである。オフィスの他に、消費者との接点を増やす様々な用途を複合することが計画された。そこで我々は地域の人々が気軽に訪れることができるように、一階の面積を必要最小限に抑えて建築を緑で包み込み、隣接する公園と連続させた。
次にギャラリー、カフェ、ショップ、オフィス、プライベートルームといった複数の用途を階層分けするのではなく、スキップフロア形式で螺旋状に繋げることで、「企画、開発、設計、発表、展示会、販売」という企業活動の過程を動線上に連続させた。これは、消費者とスタッフの出会いの場、いわばダイレクトマーケティングの場をオフィス内に滑らかに取り込むことを意味する。
スタッフは自社開発した商品の売れ行きをショップで、商品の実際の使われ方をカフェで、販売促進や発表会での反応をギャラリーでダイレクトに体感して次の商品企画のアイディアや改良につなげることが可能となる。また、客は企画や設計の人たちの打ち合わせ風景やモノづくりの場の臨場感を体感し、次の商品に期待することになる。
緩やかなスキップフロアはプログラムの拡張縮小が自在で、ある時はギャラリーとカフェが一体的に使われ、またある時はカフェとオフィスが融合するなど、相乗効果や予想を超えた使われ方も生まれるだろう。段差に沿った斜め方向の視線の抜けは、隣接する空間同士を緩やかに繋ぎ、ホームオフィスではデザイナー間の挨拶や議論、交流が活発化するはずだ。この建築は様々な人々の交流やつながりを活発化し、一本の大きな渦のような上昇気流を作り出すサイクロンである。
- Completion
- 2014. 09
- Principal use
- Soho,Gallaly,Cafe,Residence
- Structure
- RC + S
- Structure Desgin
- ARUP JAPAN
- Constructor
- MATSUSHITA INDUSTRY
- Site area
- 556㎡
- Total floor area
- 534㎡
- Building site
- 12-8, Sarugakucho, Shibuya Ku, Tokyo
- Team
- Atsushi Ikawa, Tsuyoshi Nakamoto, Hiroki Nakamichi